履歴書を送っても送っても、お祈りメールが届く。正直、かなりメンタルにくる。書類選考すら通らないと「自分には市場価値がないのか」と不安になりませんか?
実は、理学療法士の転職で書類落ちする人の多くは、スキルや経験が足りないわけじゃない。履歴書の書き方を知らないだけ。僕が見てきた後輩たちも、ちょっとした書き方を変えただけで通過率が劇的に変わったケースが何度もありました。
10年以上この業界にいて、採用に関わる同僚や転職に成功した仲間から聞いた話を元に、PT特有の履歴書の書き方を具体例付きで解説していきます。
履歴書で3回落ちた後輩PTの話から始めます
いきなりですが、僕の後輩で3回連続書類落ちした子がいました。回復期病院から訪問リハに転職しようとしていた、経験5年目のPTです。
書類選考で落ち続けた理由は「志望動機」だった
彼女の履歴書を見せてもらったとき、パッと見は問題なかった。職歴もちゃんと書いてあるし、資格欄も埋まってる。でも志望動機を読んで「あー、これか」とすぐに分かりました。
こんな感じで書いてあったんです。
「訪問リハビリの経験を積み、在宅分野でのスキルアップを目指したいと考え、志望いたしました。」
…これ、何が問題か分かりますか?
完全に「自分がどうなりたいか」しか書いてない。採用する側からしたら「で、うちに何してくれるの?」という話。経験を積みたいなら他の事業所でもいいわけで、なぜその訪問看護ステーションなのかが全く伝わってこない。
採用担当の友人に見せたら一発で指摘されたこと
たまたま別の訪問看護ステーションで採用を担当している友人がいたので、その後輩の履歴書を見せてみました。すると開口一番「これ、テンプレそのままだよね」と。
ぶっちゃけ、採用担当は何十枚も履歴書を見ている。テンプレートをコピペしただけの志望動機は、最初の3行で分かるそうです。マジで。
友人いわく「採用側が見たいのは、うちの事業所で具体的に何ができるか。回復期で培った生活期を見据えたリハの視点があるとか、脳卒中の患者を多く担当したからその経験を活かせるとか。そういう具体性がないと書類の時点で落とす」とのことでした。
後輩にこの話を伝えて志望動機を書き直したら、次の応募であっさり書類通過。そこから面接に進んで、無事に内定をもらえました。
PT履歴書で採用担当が最初に見る3つのポイント
採用経験のある同僚から聞いた話を元に、理学療法士の履歴書で特に見られているポイントを3つ紹介します。一般的な履歴書の書き方とはちょっと違う部分もあるので、PT転職ならではの視点として押さえておいてください。
職歴欄の「施設形態」と「担当患者層」の書き方
まず職歴欄。ここで「〇〇病院 リハビリテーション科 入職」だけで終わらせる人が本当に多い。でもこれだと情報量が足りなすぎます。
採用側が知りたいのは、
- その病院が急性期なのか、回復期なのか、慢性期なのか
- 何科の患者を担当していたのか(整形?脳血管?呼吸器?)
- 1日何単位くらい取っていたのか
こういった情報。
書き方の例を出すと、
医療法人〇〇会 △△病院(回復期リハビリテーション病棟・120床)
主に脳血管疾患・整形外科疾患の患者を担当
1日平均18単位、担当患者数15〜20名
こんな感じで書くと、読んだ瞬間にどんな経験を積んできたかイメージできる。採用担当も忙しいから、パッと見で分かる履歴書は印象がいいんです。
資格欄は取得順より「使える順」で並べる
資格欄を取得年月日順に書く人がほとんどだと思います。間違いではないんですが、もったいない。
例えば訪問リハに応募するなら、住環境コーディネーターや福祉用具専門相談員を上に持ってくる。整形外科クリニックなら認定理学療法士(運動器)を目立つ位置に置く。
要は、応募先で「使える」資格を上に並べるという戦略です。
正直なところ、呼吸療法認定士を持っていても訪問リハではあまりアピールにならないケースもある。逆に急性期病院なら強力な武器になる。資格の並び順は応募先に合わせてカスタマイズしたほうがいい。
写真で落とされる人が意外と多い現実
これ、嘘みたいな本当の話。
熊本の訪問看護ステーションで採用を手伝っている知り合いから聞いたんですが、私服で撮った証明写真を貼ってきた人がいたそうです。カジュアルなポロシャツで、背景も自宅の壁紙。さすがにそれは落としたと。
「PTは接遇も大事だから、写真で常識が分かる」とその人は言ってました。
写真で気をつけるべきは、
- スーツ着用(白衣NGの施設も多い)
- 背景は無地(白か薄いブルー)
- スマホ撮影より証明写真機か写真館
- 3ヶ月以内に撮影したもの
たかが写真、されど写真。第一印象はここで決まります。
【例文あり】志望動機の書き方を領域別に解説
志望動機は履歴書の中で最も差がつく部分。ここでは転職パターン別に、実際に使える例文を紹介していきます。ポイントは「なぜその領域か」「前職の経験をどう活かすか」「入職後に何をしたいか」の3点セットを必ず入れること。
急性期→回復期への転職パターン
急性期から回復期に移りたい人は「もっとじっくり患者さんと関わりたい」という動機が多いはず。それ自体は悪くないけど、そのまま書くと「急性期がイヤだったんだな」と思われる可能性もある。
例文はこんな感じ。
急性期病院で3年間、主に脳血管疾患と整形外科術後の早期リハビリを担当してまいりました。離床から退院までの流れを多く経験する中で、退院後の生活を見据えたリハビリテーションにより深く関わりたいという思いが強くなりました。
貴院の回復期病棟では、在宅復帰率90%以上を維持されていると伺っております。急性期で培った早期介入の視点を活かしながら、生活期につながるリハビリを実践し、患者様の在宅復帰に貢献したいと考え、志望いたしました。
ポイントは「前職の経験」→「応募先の特徴」→「自分が貢献できること」という流れ。応募先のホームページで実績や特徴を調べて、必ず具体的に入れてください。
病院→訪問リハへの転職パターン
病院から訪問リハへの転職は、環境が大きく変わる。だからこそ「なぜ訪問なのか」を明確にしないと説得力が出ない。
回復期リハビリテーション病棟で5年間勤務し、退院前の家屋評価や退院時指導に多く携わってまいりました。その中で、退院後に生活が大きく変わる患者様の姿を見て、実際の生活環境でリハビリを行うことの重要性を実感しました。
貴事業所は〇〇地域を中心に、神経難病の利用者様も多く担当されていると伺っております。病棟で培った多職種連携の経験を活かし、利用者様とご家族の生活を長期的に支えるセラピストとして貢献したいと考えております。
地方の訪問リハは、地域密着型のところが多い。「〇〇地域で」と地名を入れるだけで、ちゃんと調べてきた感が出ます。
ちなみに僕の友人のOTは、地方の老健に転職して、東京時代より生活の質がめちゃくちゃ上がったと言ってました。家賃が半分以下になったのが大きいそうです。都市部だけが選択肢じゃないというのは、覚えておいて損はないかと。
クリニック→整形外科病院への転職パターン
クリニックから病院への転職は「なぜわざわざ病院に?」という疑問を持たれやすい。ここをクリアする志望動機が必要。
整形外科クリニックで4年間、外来リハビリを中心に、肩関節周囲炎や腰痛症、スポーツ障害など幅広い疾患を担当してまいりました。術後すぐの患者様を担当する機会は少なく、急性期からのリハビリ介入を学びたいという思いが強くなりました。
貴院では人工関節置換術やACL再建術など、年間〇〇件の手術を実施されていると伺っております。クリニックで経験した外来フォローの視点を活かしつつ、周術期から退院後まで一貫して関われるセラピストを目指したいと考え、志望いたしました。
病院の手術件数や特徴は、ホームページや病院年報で調べられることが多い。具体的な数字を入れると、本気度が伝わります。
自己PRで差がつく「数字」の入れ方
自己PRで「コミュニケーション能力に自信があります」「患者様に寄り添ったリハビリを心がけています」なんて書いても、正直言って響かない。みんな同じこと書いてるから。差をつけるには数字を入れるしかない。
担当患者数・FIM改善率など使える数字リスト
PTが履歴書に書ける数字って、意外とたくさんあります。
- 1日の担当患者数(例:1日平均18単位、15〜20名を担当)
- 担当患者の平均在院日数の短縮実績
- FIM改善率やBI改善点数
- 在宅復帰率への貢献(担当患者の〇%が自宅退院)
- 後輩・実習生の指導人数(例:3年間で実習生12名を担当)
- 院内勉強会の開催回数
- カンファレンス等での症例発表回数
これらの数字を自己PRに入れると、一気に具体性が増す。
例えば、
回復期病棟で5年間勤務し、1日平均18単位、担当患者数は常時15〜20名を維持してまいりました。担当患者の在宅復帰率は85%を超え、特に独居高齢者の自宅退院支援に注力しました。また、3年目からは実習生指導も担当し、計8名の学生を受け入れた経験があります。
こんな感じ。数字があると説得力が段違いです。
数字がない場合の具体的な書き方
「うちの病院、そういうデータ取ってないんですけど…」という人もいると思う。その場合は、具体的なエピソードで補う。
「〇〇な場面で、□□という工夫をして、△△という結果になった」という形式で書くといい。
認知症を合併した大腿骨頸部骨折の患者様を担当した際、リハビリへの拒否が強く介入が難しい状況でした。そこで看護師と連携し、生活動作の中でリハビリ要素を取り入れるアプローチに切り替えました。結果として予定通りの時期に自宅退院を実現し、ご家族から感謝のお手紙をいただきました。
数字がなくても、具体的な場面を書けば伝わる。「頑張りました」じゃなくて「何をどう工夫したか」を書くのがコツです。
書類選考の通過率を上げるなら添削サービスを使え
ここまで読んで「自分の履歴書、大丈夫かな…」と思った人も多いんじゃないでしょうか。正直、自分で書いた文章の問題点って、自分では気づきにくい。
自分で気づけないミスは第三者に見てもらう
僕自身、過去に転職した時は同僚に履歴書を見てもらいました。自分では完璧だと思っていたのに「ここ、意味が分かりにくい」「この表現、ちょっと上から目線に見える」とか、結構指摘されたんですよね。
身近に見てもらえる人がいればいいけど、なかなかそういう人がいない場合もある。転職のことを職場に知られたくないケースも多いし。
そういう時は、転職エージェントの履歴書添削サービスを使うのが手っ取り早い。
転職エージェントの履歴書添削で変わった実例
冒頭で紹介した3回連続書類落ちした後輩。彼女は結局、PTOTSTワーカーに登録して、アドバイザーに履歴書を見てもらったんです。
そしたら志望動機だけじゃなく、職歴の書き方や自己PRの構成まで細かくアドバイスをもらえたらしい。特に「訪問リハの採用担当はここを見る」という具体的なポイントを教えてもらえたのが大きかったと言ってました。
添削を受けた後の応募では、3社中2社で書類通過。最終的に希望していた訪問看護ステーションから内定をもらえました。
PTOTSTワーカーはPT・OT・ST専門の転職サービスだから、リハビリ職特有の履歴書の書き方を熟知してる。アドバイザー自身が採用側と日常的にやり取りしているので、「この施設はこういう人材を求めている」という情報も持っている。
登録は無料だし、3分くらいで終わる。初めての転職で履歴書に自信がないなら、使わない理由がないと思います。
よくある質問
理学療法士の履歴書は手書きとパソコンどちらがいい?
最近は9割以上がPC作成です。特に指定がない限り、PCで作成して問題ありません。ただし、訪問看護ステーションなど小規模な事業所では、手書きで丁寧さをアピールするという戦略もあり。応募先の雰囲気を見て判断してください。病院や大手法人はPC作成が無難です。
転職回数が多い場合の職歴欄はどう書く?
全て正直に書いてください。省略したり誤魔化したりすると、後でバレた時に信用を失います。ただし、各職場での学びや成長を一言添えることで、計画的なキャリア形成に見せることができます。「〇〇を学ぶために」「△△のスキルを身につけるため」など、転職の理由にポジティブな文脈を持たせましょう。
ブランクがある場合は履歴書にどう書く?
空白期間を隠す必要はありません。育児・介護・留学・体調不良など、理由は正直に記載しましょう。大事なのは、復帰への意欲や期間中に学んだことを補足すること。「育児中も医療情報のキャッチアップを続けていた」「介護経験を通じて家族支援の視点を得た」など、プラスに転換できると印象が変わります。
理学療法士の履歴書で趣味・特技欄は何を書くべき?
仕事に関連づけられるものを選んでください。スポーツ経験があれば整形外科分野で話題になりやすいし、介護経験や地域活動は訪問リハで評価されます。空欄はNG。面接で話題になることも多いので、自分が話しやすいネタを書いておくと楽です。
まとめ
履歴書は、あなたの代わりに採用担当と最初に会話するツールです。職歴の書き方、志望動機の具体性、数字を使った自己PR。ちょっとした工夫で書類通過率は確実に上がる。自信がなければ第三者に見てもらう。まずは今の履歴書を見直すところから始めてみてください。
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この記事を書いた人
富永康太(元理学療法士)
臨床経験10年以上。現在はDOPグループ代表として、リハビリ職の転職・キャリア支援に携わる。「給料が安い」「転職が不安」——そんなPT・OT・STの悩みに、現場を知る人間として本音でお答えします。
