「理学療法士に将来性がない」と言われる理由を現役PTが解説
「理学療法士って将来性ないよね」って言葉、最近よく耳にしませんか?
実は僕も臨床10年やってて、この話題は同僚との飲み会でもよく出るんです。「このまま理学療法士続けてて大丈夫かな」って不安になる気持ち、めちゃくちゃ分かります。
でも、なぜ「将来性がない」って言われるようになったんでしょうね?現役PTとして、よく挙げられる理由を整理してみました。
養成校の乱立で理学療法士が飽和状態
これ、マジで深刻な問題です。
僕が資格取った頃(10年前)と比べて、養成校の数が倍以上に増えてるんですよ。毎年1万人以上のPTが誕生してて、求人倍率も下がってる。
実際、新卒の子たちの就職活動を見てると「昔はもっと楽だったのに」って思います(笑)。病院側も選び放題だから、給与交渉なんてほぼ無理。「嫌なら他の人雇うよ」って感じですからね。
診療報酬改定による収益圧迫
これも現場にいると痛感します。
理学療法の診療報酬って、実は年々下がってるんです。病院の経営陣からは「PT増やしても収益上がらない」って声も聞こえてくる。
うちの病院でも、昔は1日20単位取れてたのに、今は18単位が限界。でも給料は上がらないし、むしろボーナスカットされたり。「この仕事、本当に将来大丈夫?」って思う瞬間ありますよね。
AIやロボット技術の台頭
正直、これが一番怖いかも。
歩行訓練ロボットとか、評価を自動化するシステムとか、どんどん出てきてます。「PTの仕事、機械に取られるんじゃない?」って不安になる気持ち、すごく分かる。
実際に導入してる施設も増えてるし、「人件費削減」って名目で機械化が進んでるのも事実なんです。
でも、ここで諦めるのはまだ早いと思うんですよね。確かに厳しい現実はあるけど、生き残る道はちゃんとあります。次の章で、僕なりの対策をお話ししますね。
理学療法士の給料が上がらない現実【データで見る年収推移】
理学療法士の平均年収は本当に低いのか?
まずは数字で見てみましょう。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、理学療法士の平均年収は約430万円(2023年)。
これ、どう思います?
正直言って、僕が新卒で入った10年前とほとんど変わってないんですよ。むしろ微減してる。一方で、看護師は約500万円、薬剤師は約580万円まで上がってるんです。
同じ医療職なのに、この差はなんなんでしょうね?(笑)
もっと詳しく見ると:
- 新卒初任給:約18〜22万円
- 5年目:約25〜30万円
- 10年目:約30〜35万円
- 管理職:約35〜45万円
僕の周りでも「10年働いても手取り25万円いかない」って同期が結構いるんですよね。
昇給が期待できない職場環境
なぜ給料が上がらないのか?
答えは簡単。診療報酬の仕組みにあります。
PTの売上って、基本的に単価×件数なんです。でも診療報酬は国が決めるから、病院側も「PTの給料を上げたくても上げられない」のが現実。
実際に僕が働いてた回復期病院では:
- 昇給:年間3,000〜5,000円
- 賞与:基本給の2〜3ヶ月分
- 残業代:サービス残業が当たり前
これじゃあ、結婚して家族を養うのも厳しいですよね。だから男性PTの離職率が高いんです。
管理職になっても劇的に変わるわけじゃない。主任で月2〜3万円アップ、課長でも5万円程度が相場でしょうか。
地方と都市部の格差が拡大中
これ、地域によってもかなり違うんですよ。
僕がいる熊本と、東京の友人を比べると:
熊本(地方)
- 平均年収:380〜420万円
- 求人倍率:0.8倍(求職者の方が多い)
- 昇進機会:限定的
東京(都市部)
- 平均年収:450〜500万円
- 求人倍率:1.2倍
- 転職機会:豊富
でも東京は家賃が高いから、実質的な生活水準はそんなに変わらないかも。
地方だと「PTの求人はあるけど、給料は安い」状況が続いてるんです。僕の地元でも新卒で手取り16万円なんて求人をよく見かけます。これで奨学金返済とか考えると…きついですよね。
特に訪問リハビリは地域差が激しくて、都市部では月40万円超えも珍しくないけど、地方だと25万円程度が相場だったり。
でも待って!理学療法士の将来性を諦めるのは早すぎる
ここまで散々ネガティブなこと書いてきたけど、実は僕はPTの将来を悲観してないんです。むしろ、これからが勝負だと思ってる。
去年、うちの協会の講座に来てくれたOTさんが「年収360万で10年やってきたけど、もう限界です」って言ってて。聞いてて胸が痛かった。でもね、その後に「でも患者さんの笑顔見ると続けたい気持ちもあって」って。
この気持ち、わかりません?
高齢化社会でリハビリ需要は確実に増加
まず数字で見てみましょう。2025年には75歳以上の後期高齢者が約2,180万人になる予定。これって今より約400万人も増えるってことなんです。
脳梗塞の患者数だけでも年間約29万人。骨折による入院は年間約20万件。整形外科疾患なんて、もう数え切れない。
「でも病院が減ってるじゃん」って思うかもしれないけど、これがチャンスなんですよ。なぜなら訪問リハビリや通所リハビリの需要が爆発的に増えるから。実際、僕の知り合いの訪問PT、今年だけで新規依頼が50件以上来てるって(笑)
専門性を極めれば高収入も可能
ここが重要なポイント。一般的なPTじゃダメなんです。何かに特化する時代。
例えば:
- 呼吸器リハビリの専門家:在宅酸素療法の患者増加で需要大
- スポーツ理学療法士:アマチュアスポーツ人口増加で市場拡大
- 産業理学療法士:企業の健康経営ブームで注目
- 認定理学療法士:専門性の証明で差別化
僕の先輩で心臓リハビリ極めた人、今じゃクリニック3つかけ持ちで年収600万超えてます。「専門性があると向こうから頭下げて来るよ」って言ってた。
働き方の多様化が進んでいる
これも見逃せないトレンド。昔みたいに「病院で一生」じゃない選択肢が増えてる。
副業解禁の流れで、本業プラス週末だけクリニックとか。オンライン指導で月5万稼ぐPTも出てきてる。起業して自費リハビリサービス始める人も多いし。
だって考えてみてください。美容師さんだって将来性ないって言われ続けてるけど、腕のいい人は普通に食べてけてるじゃないですか。PTも同じ。要はどう差別化するかなんです。
「でも自分にはそんな能力ない…」って思ってません?それ、単に今の環境が悪いだけかもしれませんよ。
僕が見てきた「将来性のある理学療法士」の特徴
専門分野で圧倒的な知識を持っている
僕が10年間見てきた中で、本当に「食いっぱぐれない」PTって、みんな何かしら専門分野を持ってるんですよ。
例えば、僕の先輩で脳卒中リハビリのスペシャリストがいるんです。この人、もう引く手あまた。転職したくなったら、どこの病院からでも声がかかる。なぜかって?「◯◯さんに診てもらいたい」って患者さんや家族から指名が入るから。
あと、整形外科で肩関節の専門知識を極めた同期もいます。彼は最初「肩なんてニッチすぎる」って周りに言われてた(笑)。でも今では、肩の手術症例があると必ず相談される存在になってます。
専門性って、別に難しいことじゃないんです。ただ、一つの分野を人より深く知ってるだけ。それだけで価値が生まれる。
コミュニケーション能力が高い
これ、めちゃくちゃ大事。技術がすごくても、患者さんや他職種とうまく話せない人って、正直キツイです。
僕が尊敬してる理学療法士の女性がいるんですけど、この人のコミュニケーション力が半端ない。患者さんからは「先生と話してると元気になる」って言われるし、医師からも「◯◯さんの意見を聞かせて」って頼まれる。
彼女の何がすごいかって、相手の立場に立って話ができること。患者さんには専門用語を使わず、医師には的確に要点を伝える。看護師さんとも上手に連携取れてる。
「私、人と話すの苦手で…」って人もいるけど、これって練習次第でどうにでもなります。だって僕も昔は人見知りでしたから。
常に学び続ける姿勢がある
将来性のあるPTって、みんな勉強してます。それも、嫌々じゃなくて楽しそうに。
僕の職場にいる50代のベテランPTは、今でも毎月研修会に参加してるんです。「新しい知識を覚えるのが楽しい」って言ってて。この人、若い僕らよりも最新の治療法を知ってたりする(笑)。
あと、副業でセミナー講師をやってる同僚もいます。最初は「自分なんかが教えられることあるのかな」って不安がってたけど、教えることで自分の知識も整理されるって気づいたみたい。今では講師料だけで月10万円以上稼いでます。
学び続けるって言っても、毎日何時間も勉強しろってことじゃないんです。週に1〜2時間、興味のある分野の本を読むとか、YouTubeで勉強動画を見るとか。そんな小さなことから始めればいい。
要は、「今の知識だけで一生食っていける」って思った瞬間に、将来性は終わりってことです。あなたも、何か一つでも興味のある分野見つけてみません?
理学療法士が生き残るための5つの戦略
じゃあ、具体的にどう戦えばいいのか。
僕が10年以上現場を見てきて「この人は絶対に生き残る」って確信した先輩たちの共通点を、5つの戦略にまとめました。どれも明日から始められるものばかりです。
①専門性を磨いて差別化を図る
まず「何でも屋」から脱却すること。
呼吸リハ、心臓リハ、がんリハ、スポーツ理学療法、ウィメンズヘルス…何でもいいんです。一つの分野で「この人に聞けば間違いない」って言われるレベルまで極める。
僕の知り合いで、呼吸リハ一筋の先輩がいるんですけど、県内の病院から引く手あまたですよ。年収も600万円超えてます。専門性って、それくらい武器になるんです。
②マネジメントスキルを身につける
技術だけじゃダメ。人を動かすスキルも必要です。
リーダー業務を積極的に引き受ける。新人指導を率先してやる。他職種との調整役を買って出る。こういう経験が、将来の管理職への道を開くんです。
「面倒くさい」って思うかもしれないけど、これができる人とできない人で、40代以降の年収は200万円以上変わってきます。
③IT・デジタルスキルを習得する
もう避けて通れません。デジタル音痴のPTに未来はない。
電子カルテの効率的な使い方、Excel・PowerPointでの資料作成、オンラインでの患者指導…最低限これくらいはマスターしておきたい。
余裕があるなら、プログラミングの基礎やデータ分析も学んでみてください。僕の後輩で、Pythonを覚えて院内の業務改善に活かしている子がいるんですが、すでに昇進コースに乗ってます(笑)
④ネットワークを広げる
人脈は最強の武器。知っている人の数が、あなたの可能性を決めるんです。
学会や研修会には積極的に参加。SNSでも情報発信してみる。他の病院のPTとも交流する。こうやって横のつながりを作っておくと、転職のときに必ず活きてきます。
実際、僕がいい求人情報を得るのって、ほとんど人づてなんですよね。
⑤転職を視野に入れたキャリア形成
一つの職場に骨を埋める時代は終わりました。
3〜5年スパンで転職を検討するのが、今の時代の賢い戦略。同じ職場にいても年収は頭打ちになるし、新しい技術や考え方に触れる機会も減ってしまう。
だからこそ、常に履歴書をアップデートしておく。市場価値を把握しておく。転職エージェントとも関係を築いておく。
「今すぐ転職したい」じゃなくても、情報収集だけはしておいた方がいいですよ。いざというとき、選択肢が多い人ほど有利になりますから。
将来性に不安を感じたら転職も一つの手段
こんな職場にいたら将来性は期待できない
正直、職場選びって将来性にめちゃくちゃ影響するんです。
僕がこれまで見てきた中で「ここにいたら危ない」っていう職場の特徴をお話ししますね。まず、給料が何年たっても上がらない職場。基本給18万円から5年経っても19万円とか、マジでザラにあります。
あとは研修制度が全くない職場も要注意。「見て覚えろ」「とりあえずやってみて」みたいなところって、結局スキルが身につかないんですよね。
それから、経営者が理学療法のことを理解していない職場もヤバい。「リハビリって楽でいいよね」とか言っちゃうような経営者がいるところは、将来的に待遇改善も期待できません。
あなたの職場、当てはまってませんか?もし3つのうち2つ以上該当するなら、転職を真剣に考えた方がいいかもしれません。
転職で年収アップした理学療法士の事例
「転職なんてリスクでしかない」って思ってる人、多いんじゃないでしょうか?
でも実際は、転職で人生変わった理学療法士をたくさん見てきました。例えば、僕の知り合いのA君(28歳)の話。
回復期病院で年収320万円だったんですけど、訪問リハビリに転職して年収480万円になりました。しかも残業はほぼゼロ(笑)。「もっと早く転職すればよかった」って言ってましたね。
別の例だと、整形外科クリニックから企業の産業保健スタッフに転職したB子さん。年収は350万円から520万円にアップ。土日祝日は完全に休みで、プライベートも充実してるそうです。
転職って、単に職場を変えるだけじゃないんです。働き方そのものを見直すチャンスでもあるんですよね。
転職エージェントを活用するメリット
転職するなら、絶対に転職エージェントを使った方がいいです。
なぜかって?まず非公開求人にアクセスできるから。ハローワークや求人サイトには載ってない、条件のいい求人がゴロゴロあります。僕も実際に利用したとき、一般には公開されてない年収500万円超の求人を紹介してもらいました。
それに給料交渉を代行してもらえるのも大きなメリット。自分で「給料上げてください」って言うのは気が引けますよね?でもエージェントなら、プロとして堂々と交渉してくれます。
あと、職場の内部情報も教えてもらえるんです。「この病院は残業多めです」「こっちのクリニックは人間関係が良好です」みたいな、求人票には書いてない情報が聞けるのは本当に助かります。
転職活動って一人だと不安になりがちだけど、エージェントがいると心強いですよ。しかも利用料は完全無料ですからね。使わない理由がないんじゃないでしょうか?
まとめ:理学療法士の将来性は自分次第で変えられる
将来性がないと嘆く前にできること
ここまで読んでくれたあなたなら、もう分かってますよね?
理学療法士の将来性がないって話、半分は本当だけど半分は違います。確かに診療報酬は下がってるし、AIの台頭もある。でも、それって他の職種も同じなんですよ。
僕が10年以上この業界にいて思うのは、結局は自分次第ってこと。愚痴ばっかり言ってる先輩もいれば、どんどんスキルアップして年収上げてる同期もいる。この差って何だと思います?
答えは簡単。行動してるかどうかです。
「将来性がない」って嘆いてる時間があったら、まず自分のスキルを見直してみてください。専門性は十分ですか?コミュニケーション能力はどうですか?マネジメントスキルは?
足りない部分があるなら、そこを伸ばせばいいんです。それだけで市場価値は確実に上がりますから。
今すぐ始められるアクション
具体的に何をすればいいのか、リストアップしてみました:
- 専門性を高める:認定資格の取得、学会参加、勉強会への積極参加
- 副業を始める:訪問リハビリ、講師業、ライター業など
- 転職市場を調べる:自分の市場価値を客観視する
- 人脈を広げる:他職種との連携、SNSでの情報発信
- マネジメント経験を積む:チームリーダー、新人指導など
どれか一つでもいいから、今日から始めてみてください。1年後のあなたは確実に変わってるはずです。
特に転職市場を調べるのは超重要。僕も定期的にチェックしてますが、自分がどれくらいの条件で転職できるか知ってると、今の職場での交渉材料にもなるんですよね(笑)
理学療法士の将来性は確かに厳しい面もある。でも、だからこそチャンスでもあるんです。みんなが諦めてる今だからこそ、行動する人が勝てる時代。
あなたはどっちを選びますか?愚痴を言い続けるか、それとも行動して未来を変えるか。
僕は後者を選んだから、今こうして情報発信もできてるし、やりがいのある仕事もできてる。あなたにもきっとできるはずですよ。
この記事を書いた人
富永康太(元理学療法士)
臨床経験10年以上。現在はDOPグループ代表として、リハビリ職の転職・キャリア支援に携わる。「給料が安い」「転職が不安」——そんなPT・OT・STの悩みに、現場を知る人間として本音でお答えします。
