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作業療法士をやめたい人へ|10年目OTが伝える辞める前に考えてほしい5つのこと

2026 4/13
職場環境・働き方
2026年4月9日2026年4月13日
目次

「作業療法士やめたい」と思ったあなたは、別におかしくない

厚生労働省の調査によると、医療・福祉業界の離職率は約14.4%。作業療法士に限った正確なデータは公開されていないものの、現場感覚では「3年以内に辞める人が2〜3割いる」という印象を持っている人も多いんじゃないでしょうか。

あなたが今「やめたい」と感じていること。それ自体は、全くおかしなことじゃないんですよ。

OTの離職率、実は他の医療職と比べてどうなのか

看護師の離職率は約11%。介護職は約15%。リハビリ職(PT・OT・ST)はその中間あたりに位置していると言われています。ただ、これって全国平均の話であって、職場によって全然違うのが現実です。

僕が以前いた病院では、毎年4月に入ってきた新人が、翌年の3月までに1〜2人は辞めていました。5人入って2人辞める。これ、40%ですよ。ある程度の規模の病院でも、こういうことは普通に起きています。

逆に、離職率がほぼゼロという職場もある。結局のところ、「OTという仕事が辛い」のか「今の職場が辛い」のかは、分けて考えないといけないんです。この区別、意外とできてない人が多い気がします。

僕の周りでも辞めた人は何人もいる

正直に言うと、僕の同期や後輩でOTを完全に辞めた人は3人います。1人は一般企業の営業職へ、1人は飲食店の経営、もう1人は専業主婦。理由はバラバラだけど、共通していたのは「もうリハビリの仕事を続けられない」という強い気持ちでした。

でも、「今の職場は辞めたけど、OTは続けてる」という人の方が圧倒的に多い。

僕の友人のOTは、地方の老健に転職して、東京時代より生活の質がめちゃくちゃ上がったと言ってました。家賃が半分以下になったのが大きいそうです。都内で手取り20万弱で暮らすより、地方で同じくらいの給料もらって、広い部屋に住む方がいい。そういう選択肢もあるんですよね。

「やめたい」と思ったとき、その「やめたい」が何を指しているのか。職場なのか、OTという仕事なのか、それとも働くこと自体なのか。ここをはっきりさせないと、辞めた後に後悔する可能性が高くなります。

作業療法士をやめたくなる理由、ぶっちゃけこの5つが多い

転職相談を受けていると、「やめたい理由」ってだいたいパターン化されてきます。もちろん人それぞれ事情は違うけど、根っこにあるのはこの5つのどれか、もしくは複数が絡み合ってることがほとんどです。

人間関係と上司のパワハラ問題

これ、本当に多い相談です。

「先輩OTに毎日のように詰められる」「上司の機嫌次第で評価が変わる」「看護師との関係がうまくいかない」。リハビリ室という閉鎖空間で、逃げ場がない感覚。これが精神的にキツいんですよね。

僕の後輩は、新卒で入った病院の主任に「あなた、向いてないんじゃない?」と毎週のように言われていました。半年で適応障害の診断を受けて休職。結局その職場は辞めたけど、今は別の病院でしっかり働いてます。環境が変わるだけで、人ってこんなに変わるのかと思いましたね。

人間関係の問題は、あなたの能力とは関係ないことが多い。相性の問題、組織の問題、そもそもその上司がおかしい場合もある。自分を責めすぎないでほしいです。

給料が上がらない絶望感

OTの平均年収は約430万円。これ、10年働いてもあまり変わらないという現実があります。昇給が年に数千円、役職がつかない限り大幅アップは期待できない。

特に地方は厳しい。僕がいた熊本では、経験10年のPTでも年収380万円台という人がザラにいました。同年代の公務員や銀行員と比べると、100万円以上の差がつくことも珍しくない。結婚して子どもができて、家のローンを組もうとしたときに「え、これしか借りられないの?」と愕然とした人を何人も知っています。

「好きな仕事だから」で我慢できる時期もあるけど、30代後半になってくると、そうも言ってられなくなる。お金の問題は、綺麗事じゃ済まないですからね。

身体的・精神的にキツすぎる

回復期病棟で毎日20単位。午前も午後もびっしり。昼休みは記録、帰宅後もカルテ作業。これを週5日、年間250日やり続ける。体力的にもたない人が出てきて当然です。

腰を痛めるOTも多いですよね。患者さんの移乗介助で腰をやって、整形外科に通いながら働いてる。これ、本末転倒じゃないですか? リハビリを提供する側が、リハビリを受ける側になってしまう皮肉。

精神的な負担も見逃せません。認知症の患者さんから暴言を吐かれる、自傷行為のある方を担当する、終末期の方の最期を何度も見送る。これらの経験は、確実に心を削っていきます。

患者さんとの関わりに疲れた

「人と関わる仕事がしたい」と思ってOTになったはずなのに、その「人との関わり」が苦痛になってくる。こういう矛盾を抱えている人、けっこういるんじゃないでしょうか。

リハビリに非協力的な患者さん、理不尽な要求をしてくる家族、改善しない状態を責められる日々。最初は「この人のために」と思えていたのに、いつの間にか「早く時間が過ぎてくれ」と思うようになる。

これは心が弱いわけじゃない。感情労働を続けた結果、心のエネルギーが枯渇しているだけです。

「自分はOTに向いてないかも」という漠然とした不安

明確な理由はないけど、なんとなく「自分はこの仕事に向いてないんじゃないか」と感じている人。これもめちゃくちゃ多いです。

同期はどんどん症例をこなしていくのに、自分はまだ不安が消えない。学会発表や研修に積極的な先輩を見ると、自分のモチベーションの低さに落ち込む。「好きこそものの上手なれ」というけど、そこまでOTを好きじゃない自分に気づいてしまう。

でもね、「向いてない」という感覚の正体って、単に「今の環境が合ってない」だけのことも多いんですよ。分野を変えたら急にやりがいを感じるようになった、なんて話はいくらでもあります。

辞める前に試してほしい「環境を変える」という選択肢

ここまで読んで、「やっぱり自分はOTを辞めた方がいいのかな」と思った人もいるかもしれません。でも、ちょっと待ってほしい。

今の職場が全てじゃない、という当たり前の事実

あなたが今いる職場は、日本に存在する数千のリハビリ施設のうちの、たった1つです。そこでの経験が全てだと思い込むのは、ちょっともったいない。

僕が訪問リハビリに転職したとき、最初の1ヶ月は道に迷いまくりでした。Google Mapが相棒でしたね(笑)。でも、病院時代に感じていた「閉塞感」は完全に消えたんです。毎日違う場所に行って、違う環境で仕事する。それだけで気持ちが全然違う。

今の職場がしんどいのは事実かもしれない。でも、それは「OTがしんどい」とイコールじゃないんです。この区別を、もう一度考えてみてほしい。

同じOTでも回復期と訪問で全然違う

回復期病棟のOTと、訪問リハビリのOTと、精神科のOTと、小児のOT。全部「作業療法士」だけど、仕事内容は全く違います。

回復期でバリバリやるのが合う人もいれば、ゆっくり関係性を築く訪問の方が合う人もいる。急性期のスピード感が好きな人もいれば、維持期の穏やかさが合う人もいる。

「OTに向いてない」と感じている人の多くは、「今やってる分野に向いてない」だけだったりします。分野を変えるだけで「あれ、この仕事意外と楽しいかも」ってなる人、本当に多いんですよ。

心当たりありませんか?「やめたい」のは今の職場であって、OT自体じゃないかもしれない。

本当にOTを辞めたいなら、知っておくべき現実

とはいえ、「いや、本当にOT自体を辞めたいんだ」という人もいるでしょう。それはそれで一つの選択肢です。ただ、辞める前に知っておいてほしい現実があります。

OT資格を捨てるとどうなるか、収入面のリアル

作業療法士の資格を活かさない仕事に転職した場合、多くの人が年収ダウンを経験しています。

OTの平均年収が430万円として、未経験で一般企業に入ると300万円台からスタートすることも珍しくない。「給料が安いから辞めたい」と思っていたのに、辞めたらもっと安くなる。この皮肉な現実は、知っておいた方がいいです。

もちろん、長期的に見れば一般企業の方が年収が伸びる可能性はあります。でも、それは成果を出せた場合の話。スキルも人脈もゼロからの状態で、30歳過ぎて未経験転職。思っている以上にハードルは高いですよ。

他業種に転職したOTの3年後

僕の知り合いで、OTから一般企業の営業職に転職した人がいます。転職当初は「リハビリの世界から解放された」と喜んでいました。でも、3年後に会ったら「正直、戻りたい気持ちもある」と言っていました。

営業ノルマのプレッシャー、数字で詰められる日々、患者さんのような「感謝される経験」がない。お金は確かに増えたけど、やりがいは減った。そう話していました。

逆の例もあります。僕の妻も元PTなんですけど、産後の復職先を探すとき「ブランク3年あるけど大丈夫かな」ってめちゃくちゃ不安がってました。結果的にはクリニックで週3パートから始めて、今はフルタイムに戻ってます。資格があるからこそ、こういう柔軟な働き方ができる。これは大きなメリットです。

OTを辞めるのが正解な人もいれば、続けた方が幸せな人もいる。大事なのは、感情的に決めないことです。

僕が「辞めたい」と思ったときにやったこと

ここで少し、僕自身の話をさせてください。

僕は理学療法士として10年以上働いてきましたが、正直「もう辞めたい」と思った時期が2回あります。1回目は3年目、2回目は7年目。

3年目のときは、単純に仕事がキツかった。毎日21単位、記録は残業、休日は勉強会。「なんでこんなことやってるんだろう」と思いながら電車に乗っていました。このときは転職して環境を変えることで乗り越えられた。

7年目のときは、もっと根深かった。「PTとしてこの先どうなりたいのか」が見えなくなっていたんです。管理職になりたいわけでもない、でも臨床をずっと続けるのもしんどい。キャリアの迷子になっていました。

そのとき僕がやったのは、とりあえず転職サイトに登録することでした。

別に本気で転職するつもりはなかったんです。ただ、「自分にはどんな選択肢があるのか」を知りたかった。求人を眺めているうちに、「こういう働き方もあるのか」「この条件なら試してみたいかも」という発見があった。

結果的に僕は今、リハビリの現場からは離れて、このサイトを運営しています。これが正解だったかどうかは分からない。でも、選択肢を知った上で決めたから、後悔はしていません。

「やめたい」という気持ちを押し殺す必要はない。でも、その気持ちのまま突っ走るのも危険です。一度立ち止まって、選択肢を整理する。それだけで見える景色が変わることもあります。

後悔しないために、今すぐできる具体的な行動

最後に、具体的なアクションの話をします。「辞めたい」という気持ちを抱えたまま何もしないのが、一番もったいない。

まずは転職サイトに登録だけしてみる

「転職サイトに登録する=転職を決意する」じゃないです。

登録して求人を見るだけでいい。今の自分の市場価値がどれくらいなのか、どんな求人があるのか、給料相場はいくらなのか。これを知るだけで、視野が広がります。

僕がおすすめするのはPTOTSTワーカーです。リハビリ職に特化しているから、OTの求人が豊富。担当のアドバイザーがついて、今の状況を相談することもできます。登録は3分で終わるし、もちろん無料。

「まだ辞めるって決めたわけじゃないんですけど」という状態でも全然大丈夫。むしろ、そういう人の方が多いですからね。相談だけでも価値があります。

今すぐ転職しなくても、選択肢を持っておく。それだけで気持ちは楽になります。

辞めるタイミングの見極め方

もし本当に辞めると決めたなら、タイミングは重要です。

一番避けたいのは「感情的に辞める」こと。上司と喧嘩して、勢いで退職届を出す。これは絶対にやめた方がいい。次が決まらないまま辞めると、焦って条件の悪い職場に飛びついてしまうリスクがあります。

理想は、在職中に転職活動を終わらせて、切れ目なく次の職場に移ること。これなら収入が途切れないし、精神的な余裕も保てます。

時期としては、ボーナスをもらってから辞めるのが経済的にはベスト。あと、年度末(3月)は求人が増える時期だから、そこを狙うのもアリです。

ただ、体調を崩しそうなほど追い詰められているなら、タイミングなんて考えなくていい。自分の健康より大事な仕事なんてないですから。

まとめ

「作業療法士をやめたい」と感じること自体は、全くおかしなことじゃない。でも、その「やめたい」が職場への不満なのか、OT自体への限界なのかは、冷静に見極めた方がいいです。環境を変えるだけで解決することも多いし、逆に本当に辞めた方が幸せになれる人もいる。大事なのは、感情的に決めないこと。まずは選択肢を知ることから始めてみてください。

よくある質問

作業療法士を辞めて後悔する人はどれくらいいる?

明確な統計はありませんが、「勢いで辞めた人」ほど後悔する傾向があります。一方で、じっくり考えて計画的に辞めた人は「辞めてよかった」と感じていることが多いです。感情的な決断を避けることが大切ですね。

OTから一般企業への転職は難しい?

職種によります。医療機器メーカーの営業や福祉用具関連の企業であれば、OTとしての経験が武器になります。ただ、全く違う業界だと未経験扱いになるので、年収ダウンは覚悟した方がいいでしょう。

作業療法士を辞めたいけど、次が決まらないと不安

在職中に転職活動を始めるのが鉄則です。今の仕事を続けながら求人を探せば、収入が途切れる不安もありません。転職サイトを使えば、働きながらでも効率よく情報収集ができますよ。

OT1年目で辞めたいのは甘えですか?

甘えじゃないです。ただ、1年目は誰でも辛いという側面もあります。本当に環境が合わないなら辞めていいと思いますが、もう少し経験を積んでからの方が転職市場では有利になるのも事実。焦らず判断してください。

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富永康太

この記事を書いた人

富永康太(元理学療法士)

臨床経験10年以上。現在はDOPグループ代表として、リハビリ職の転職・キャリア支援に携わる。「給料が安い」「転職が不安」——そんなPT・OT・STの悩みに、現場を知る人間として本音でお答えします。

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