訪問リハビリでPT・STの同日算定、現場では結構複雑なんです
訪問リハビリでPTとSTが同じ利用者さんに同日訪問する時の算定って、めちゃくちゃ複雑ですよね。
僕も現場で10年以上やってきたけど、未だに「あれ、これってどうだっけ?」って迷うことがあります(笑)。特に新人の頃は、先輩に聞くのも恥ずかしくて、なんとなくで算定してしまったことも。
でも、これって僕だけじゃないんです。
先日も同僚のSTから「PT訪問の後に私が行く場合、算定はどうなるんですか?」って相談されました。現場のセラピストなら、きっとあなたも同じような疑問を抱えているはず。
「え、これって算定できるの?」現場でよくある疑問
実際の現場では、こんな状況がよく起こります:
- 午前中にPTが訪問、午後にSTが同じ利用者さんを訪問
- PTとSTが連携して、同じ日に続けて訪問する必要がある
- 利用者さんの体調や都合で、急遽同日訪問になってしまった
「これって両方算定していいの?」「減算になるんじゃ?」
こんな不安、ありませんか?
僕が新人の頃、先輩から「同日はダメ」って教わったんですけど、詳しいルールまでは教えてもらえなくて。だから、なんとなく避けてました。でも、後で調べてみると実はもっと複雑だったんです。
同日算定のルールを正しく理解する重要性
同日算定のルールを間違えると、大変なことになります。
返戻(レセプトが返ってくること)になったり、最悪の場合は指導の対象になることも。実際、僕の知り合いの事業所では、算定ミスで数十万円の返還になったケースがありました。
だって、利用者さん一人当たり月に8回訪問するとして、単価が5000円だとすると月4万円。年間だと48万円の売上に関わってくるんです。
でも逆に言えば、正しく理解していれば適切に算定できて、利用者さんにも質の高いサービスを提供できる。
現場で10年以上働いてきた僕の経験を踏まえて、同日算定のルールを分かりやすく解説します。レセプト業務で悩むことがなくなるよう、具体例も交えながらお話ししますね。
一緒に、この複雑なルールをスッキリ整理していきましょう。
訪問リハビリでPT・STが同日訪問する基本的な算定ルール
同一日の訪問リハビリ算定の原則
まず大前提として知っておいてほしいのが、同じ日にPTとSTが訪問しても、それぞれ別々に算定できるということです。これ、意外と知らない人多いんですよね。
厚生労働省の通知(令和3年3月26日保医発0326第9号)では、「同一日に異なる職種が訪問リハビリテーションを実施した場合、それぞれ算定可能」と明記されています。
ただし!
ここからが重要なんですが、同じ職種が同日に複数回訪問する場合は話が変わります。例えば、PTが午前と午後に訪問しても、算定は1回分のみ。これは絶対に覚えておいてください。
PT・STそれぞれの算定条件
具体的な算定条件を整理しますね。
- 理学療法士(PT):身体機能の維持・改善を目的とした訓練
- 言語聴覚士(ST):摂食嚥下機能や言語機能の維持・改善を目的とした訓練
重要なのは、それぞれが異なる目的で訪問しているということ。PTが歩行訓練、STが嚥下訓練を行えば、当然別々の算定が認められるわけです。
僕自身、新卒で入った回復期病院では手取り18万円でした。正直、「国家資格まで取ってこれか…」と何度も思いました。でも訪問リハビリに転職してからは、こういった算定ルールをしっかり理解することで、事業所の売上アップにも貢献できるようになったんです。
実際の算定例と計算方法
具体例で見てみましょう。
【ケース1】同日にPT・STが訪問
・PT:20分の身体機能訓練 → 訪問リハビリテーション費(307点)
・ST:20分の嚥下訓練 → 訪問リハビリテーション費(307点)
合計:614点
【ケース2】PTが同日に2回訪問
・PT(午前):20分の歩行訓練
・PT(午後):20分の筋力訓練
算定:307点のみ(1回分のみ)
この違い、分かりますよね?同じ職種の複数回訪問は認められないけど、異なる職種なら問題ないんです。
ただし、実際の現場では「本当に別々の目的で訪問しているか」が審査で問われることもあります。だからこそ、訪問記録には明確に目的を分けて記載することが大切なんです。
同日算定が可能なケースと不可能なケース【実例付き】
算定OKなパターン:こんな時は大丈夫
Q: どんな場合なら同日算定できるんですか?
A: 一番分かりやすいのは、明らかに目的が違うケースですね。
例えば、PTは歩行訓練、STは失語症に対する言語訓練。これなら誰が見ても別々の専門性を活かした訓練だって分かります。
僕が実際に経験したケースだと:
- PTが膝関節の可動域訓練と歩行練習
- STが構音障害に対する発声練習と嚥下訓練
この組み合わせは全然問題なし。むしろ利用者さんにとって効果的でした。
他にも、PTが下肢機能、STが認知機能みたいな組み合わせも大丈夫。要は「なんで両方必要なの?」って聞かれた時に、ちゃんと説明できるかどうかなんです。
算定NGなパターン:注意が必要なケース
Q: これはダメっていうパターンはありますか?
A: あります。これ、マジで注意してほしいんですけど。
同じような内容を両方でやってしまうケースが一番危険です。例えば:
- PTもSTも「バランス訓練」を実施
- 両方とも「認知機能向上」を目的に設定
- どちらも「日常生活動作の改善」で同じ内容
こういうのは審査で引っかかる可能性が高い。
あと、単純に訓練時間を増やしたいだけっていうのも完全にNG。利用者さんのためじゃなくて、事業所の売上のためって思われちゃいますからね。
実際に返戻になった事例も聞いたことがあります。記録に「PT・ST共に歩行訓練実施」って書いてあったらしくて(笑)。そりゃダメでしょって話です。
グレーゾーンの判断方法
Q: 微妙なケースはどう判断すればいいですか?
A: これが一番難しいんですよね。
判断のポイントは「それぞれの専門性が活かされているか」です。
例えば、嚥下障害のケース。PTが「姿勢調整」、STが「嚥下機能訓練」なら、アプローチ方法が明確に違いますよね?でも両方とも「嚥下改善」って目的だと、ちょっとグレー。
こういう時は:
- 目的をより具体的に分ける
- アプローチ方法を明確に記載
- なぜ両職種が必要なのかを文書化
要は「なんで?」って聞かれた時の準備をしておくことなんです。
迷った時は、ケアマネさんや医師に相談するのも手。第三者の目で見てもらうと、客観的な判断ができますからね。
現場での運用方法と注意点【10年の経験から】
事前調整で失敗を防ぐ方法
僕が10年間で学んだ一番大事なこと。それは「事前の打ち合わせが全て」ってことなんです。
まず、PT・STどちらが主担当になるかを明確にしておく。これ、マジで重要。曖昧にしてると後で「え?今日どっちが来るの?」ってなります(笑)
利用者さんには必ず両職種が訪問することを説明しておいてください。「今日はPTの田中さんとSTの佐藤さんが来ますよ」って具体的に。家族にも同じように伝える。
あと、訪問時間の調整も大切ですね。僕の経験だと、30分〜1時間の間隔を空けるのがベスト。利用者さんも疲れないし、前の職種の様子も聞けるから。
ケアマネさんへの報告も忘れずに。「来週火曜日、PT・ST同日で入ります」って一言あるだけで、トラブルが激減しますよ。
記録・書類作成のポイント
記録で一番気をつけてるのは、それぞれの専門性を明確に分けること。
PTなら「歩行時の膝折れに対してクワッド強化を実施」、STなら「嚥下機能向上のため舌圧訓練を実施」みたいに。被らないように書くのがコツです。
実施時間も正確に記録する。PT 14:00〜14:40、ST 15:00〜15:40って感じで。後で算定チェックされた時に困らないように。
でも、連携した内容は両方に書いてOK。「STからの情報で嚥下状態を確認し、食事姿勢を調整した」とか。むしろこれがあると、チームアプローチしてるのが伝わります。
計画書も要注意。それぞれ別々に作成するけど、目標が矛盾しないようにチェックしてください。僕は必ず相手の計画書も確認してます。
よくあるトラブルと対処法
一番多いトラブル?利用者さんの「今日は疲れた」問題ですね(笑)
最初の職種が頑張りすぎちゃって、2番目が来た時にはもうグッタリ。これ、本当によくあるんです。
対策は簡単。1回目は軽めのメニューにしておく。僕がPTで先に入る時は、いつもの7〜8割の負荷に抑えてます。STさんに申し訳ないから。
あと、家族から「なんで2人も来るの?」って質問されること。これには「より専門的なアプローチができるんです」って説明してる。具体例も出すと納得してもらえますよ。
算定でのトラブルもありますね。事業所によっては「同日算定は避けて」って方針のところも。そういう時は素直に日をずらす。無理しても良いことないですから。
記録の不備で指摘されたこともあります。その時は速攻で修正。「連携不足でした」って素直に認めて、次から気をつけるのが一番。
トラブルが起きても慌てない。利用者さんのためになってるかどうかを基準に判断すれば、大抵のことは解決できますからね。
利用者にとってのメリット・デメリット
同日訪問の利用者メリット
実際に同日でPT・STが訪問すると、利用者さんにはどんなメリットがあるんでしょうね?
まず一番大きいのは時間の効率化です。別日だと家族の方が2回スケジュール調整しなきゃいけない。でも同日なら1回で済む。これ、めちゃくちゃ楽ですよ(笑)
僕が見てきた利用者さんで、娘さんが仕事を休んで立ち会ってくれる方がいたんです。別日だと2回休まなきゃいけないけど、同日なら1回で済む。「本当に助かります」って言われました。
- スケジュール調整が1回で済む
- 家族の負担軽減(仕事の休みが1回で済む)
- PT・ST間での情報共有がリアルタイムでできる
- 総合的なリハビリプランの立案が可能
- 利用者の疲労軽減(準備や片付けが1回)
あと、専門職同士の連携も格段に良くなるんです。PTが「歩行時にこんな傾向があります」って話してる横でSTが聞けると、「じゃあ言語面でもこんなアプローチしてみましょう」って即座に提案できる。
注意すべきデメリット
でも、いいことばかりじゃないんですよね。
一番の問題は利用者さんの疲労。60分間のリハビリって、思ってる以上にしんどいんです。特に高齢の方や体力が落ちてる方は、途中でバテちゃうことも。
- 60分間の連続リハビリによる疲労
- 集中力の低下(後半のリハビリ効果が下がる可能性)
- 時間の融通が利きにくい
- 一度にたくさんの情報を処理しなければならない
- プライベート時間の確保が難しい
僕の経験だと、認知症の方は特に注意が必要。普段30分でも疲れるのに、60分は結構きつい。途中で「もう疲れた」って言われることもあります。
あと、意外と見落とされがちなのがプライバシーの問題。PTとSTが同時にいると、利用者さんによっては「ちょっと恥ずかしい」って感じる方もいるんですよね。
利用者満足度を高める工夫
じゃあ、どうやったら利用者さんに喜んでもらえるのか?
まず休憩時間をきちんと取る。30分やったら5分休んで、また30分。これだけでも疲労感が全然違います。
それと、事前説明をしっかりするのが大事。「今日はPTとSTが一緒に来ます。疲れたらいつでも言ってくださいね」って伝えておく。安心感が違いますから。
- 適度な休憩時間の確保(5〜10分程度)
- 事前の丁寧な説明とスケジュール共有
- 利用者のペースに合わせた柔軟な対応
- 家族への配慮(立ち会い希望の確認)
- プライバシーに配慮した環境づくり
あと、これは個人的にやってることなんですけど、利用者さんの好みを事前に共有してます。「この方は午前中の方が調子がいい」とか「お茶を飲みながらだとリラックスする」とか。
結局、利用者さんが「今日のリハビリ、良かったな」って思えるかどうかなんです。制度がどうとかより、そっちの方がずっと大切ですからね。
事業所運営における同日算定の活用戦略
効率的なスケジューリング方法
ここからは事業所の運営サイドの話になるんですが、同日算定をうまく使えば収益性が格段に上がります。
僕が以前いた事業所では、PT・ST同日訪問を週20件やって月80万円の増収を実現してました。単純計算で年間960万円ですからね。これ、バカにできない数字です。
効率的なスケジューリングのコツ。地域をブロック分けすることなんです。例えば月曜日は◯◯団地エリア、火曜日は△△町エリアみたいに。そうすると移動時間が最小限になって、1日6〜7件回れちゃう。
あと重要なのが利用者さんの生活パターンを把握すること。朝型の人、午後の方が調子いい人、それぞれいますからね。無理にこっちの都合に合わせようとすると、結局キャンセルが増えて効率が悪くなります。
他事業所との差別化ポイント
正直な話、同日算定をやってる事業所ってまだまだ少ないんです。だって面倒くさいから(笑)。でも、これが最大の差別化ポイントになってるんですよ。
ケアマネさんからは「◯◯さんの事業所は、PTさんとSTさんが同じ日に来てくれるから助かる」って評判になります。利用者さんの負担軽減+専門性の高いリハビリが提供できるって、めちゃくちゃ強いセールスポイント。
実際、僕らの事業所は紹介が紹介を呼んで、新規利用者の7割がケアマネさん経由でした。営業なんてほとんど必要なかったですね。
リスク管理と対策
とはいえ、リスクもあります。一番怖いのがスタッフの急な欠勤なんです。PTが休んだらSTも一緒に訪問できなくなって、利用者さんに迷惑かけちゃう。
だから必ずバックアップ体制を作っておく。最低でも各職種2名は配置して、代理で入れるようにしてます。あと、利用者さんには事前に「体調不良等で変更になる可能性がある」ってしっかり説明しておく。
それと算定ミスも要注意。複雑な制度だから、レセプトチェックは二重三重にやってます。返戻くらったら収益どころじゃないですからね。
最終的には「利用者さんのため」という軸をブラさないことが一番大切。収益性も大事だけど、それありきでやると必ず失敗します。僕、実際に見てきましたから。
訪問リハビリの現場で働くセラピストのキャリア戦略
訪問リハビリで身につく専門スキル
訪問リハビリって、病院とは全然違うスキルが身につくんですよね。
まず「一人で判断する力」が圧倒的に伸びます。病院みたいに「先輩、これどうしましょう?」って聞ける環境じゃないから。利用者さんの状態変化を見極めて、その場で適切な対応を取る。これ、マジで成長しますよ。
あとは家族指導のスキル。
病院だと「リハビリは病院でやるもの」って感覚だけど、訪問では家族も巻き込んでチーム医療を作らないといけない。説明力、コミュニケーション能力が嫌でも上がります(笑)
PTとSTが同日訪問する現場にいると、他職種連携のスキルも自然と身につく。「STさんの摂食嚥下訓練の前に、僕が座位保持の練習をしておこう」とか、そういう連携を考える習慣がつくんです。
年収アップの具体的な方法
訪問リハビリで年収を上げるなら、まずは「件数を安定して回せるスキル」を身につけることですね。
僕が見てきた高年収のセラピストは、だいたい月120件以上回してました。でもこれ、ただ数をこなすんじゃダメ。利用者さんの満足度も維持しながらの話です。
具体的には:
- 時間管理のスキル向上(移動時間の最適化)
- アセスメント能力の向上(短時間で的確な評価)
- 家族への説明スキル(信頼関係構築)
- 他職種との連携スキル(ケアマネとの関係性)
年収500万円以上を狙うなら、管理者候補としてのスキルも必要。スタッフ教育や事業所運営の知識があると、転職市場でも評価されます。
あ、それと認定理学療法士や専門理学療法士の取得も効果的。訪問リハビリ特化の資格があると、転職時の年収交渉でかなり有利になりますよ。
転職を考える時のポイント
訪問リハビリから転職するときって、意外と注意点が多いんです。
まず、病院勤務に戻る場合。訪問で培った「一人で判断する力」は評価されるけど、「チーム医療の中での協調性」を心配される場合もある。面接では両方のバランスをアピールしましょう。
逆に訪問から訪問への転職なら、「なぜその事業所を選んだのか」が重要。給与面だけじゃなく、理念や運営方針への共感を示せると良いですね。
ここだけの話、訪問リハビリの転職って情報収集が難しい。事業所の内情が見えにくいから。だから転職エージェントを使うのがおすすめです。
僕も実際に使ったことがあるけど、現場の雰囲気や実際の件数、離職率まで教えてもらえて助かりました。特にリハビリ職専門のエージェントなら、業界の事情をよく分かってるから相談しやすいですよ。
転職を考えてるなら、まずは情報収集から始めてみてください。今の職場と比較することで、自分のキャリアプランも
この記事を書いた人
富永康太(元理学療法士)
臨床経験10年以上。現在はDOPグループ代表として、リハビリ職の転職・キャリア支援に携わる。「給料が安い」「転職が不安」——そんなPT・OT・STの悩みに、現場を知る人間として本音でお答えします。
