【2024年最新】作業療法士の平均年収は432万円
「自分の給料って、他の作業療法士と比べてどうなんだろう…」「このまま働き続けて、年収は上がるのかな?」
10年以上リハビリ職のキャリア支援に携わってきた私のもとには、こうした年収に関する相談が後を絶ちません。結論からお伝えすると、2024年の作業療法士の平均年収は約432万円。ただし、この数字は年齢・地域・職場によって大きく変わります。
この記事では、厚生労働省の最新統計データをもとに、作業療法士の年収を徹底分析。あなたが今すぐ確認できる年収相場と、現実的な年収アップの方法を具体的に解説します。
厚生労働省の統計データから見る最新の年収
厚生労働省が発表した「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、作業療法士の平均年収は約432万円です。内訳を見ると以下のとおりです。
- 平均月収:約29.8万円
- 年間賞与:約74万円
- 平均年齢:35.1歳
- 平均勤続年数:7.3年
この数字は「きまって支給する現金給与額」と「年間賞与・その他特別給与額」を合算したもの。残業代は含まれていますが、通勤手当などは除外されています。
私がキャリア相談で感じるのは、この平均値を見て「思ったより高い」と感じる方と「やっぱり低い」と感じる方が半々くらいだということ。職場や地域によって、100万円以上の開きがあるのが実態です。
理学療法士・言語聴覚士との年収比較
同じリハビリ職種である理学療法士(PT)・言語聴覚士(ST)との比較も気になるところですよね。
【リハビリ3職種の年収比較(2024年)】
- 理学療法士:約432万円
- 作業療法士:約432万円
- 言語聴覚士:約418万円
統計上、PTとOTの年収はほぼ同水準。STはやや低めですが、これは平均年齢や勤続年数の違いも影響しています。実際の現場では、同じ職場で働くPT・OT・STの給与体系は同一であることがほとんどです。
全職種平均との比較で見るOTの給与水準
全職種の平均年収と比較してみましょう。
- 全職種平均年収:約460万円
- 作業療法士:約432万円(全職種平均の94%)
作業療法士の年収は全職種平均をやや下回る水準。国家資格を持つ専門職としては、正直なところ「もっと高くてもいいのでは」と感じる方も多いでしょう。
ただし、景気の影響を受けにくい安定性や、全国どこでも働ける汎用性を考慮すると、単純な金額比較だけでは測れない価値もあります。
年齢・経験年数別に見る作業療法士の年収推移
「何年働けば、年収はどのくらい上がるんだろう?」これは転職相談で必ず聞かれる質問です。現実的な昇給カーブをお伝えします。
新卒〜3年目:年収300〜350万円が相場
新卒OTの初任給は、月収21〜24万円、年収換算で300〜350万円が一般的な相場です。
- 総合病院:月収22〜24万円
- 回復期リハビリ病院:月収21〜23万円
- 介護施設:月収20〜22万円
入職3年目までは、基本的に横並びの給与体系が多く、大きな差はつきません。この時期は年収よりも、どんな経験を積めるかを重視した方が、長期的にはプラスになります。
中堅(4〜10年目):年収400〜500万円のボリュームゾーン
経験4年目以降から、徐々に個人差が出始めます。
- 一般職:年収380〜450万円
- 主任・リーダー職:年収450〜500万円
この時期に年収の差が開くポイントは「役職に就けるかどうか」です。同期入職でも、主任になった人とそうでない人で年収50万円以上の差がつくケースは珍しくありません。
私が見てきた中で年収を伸ばしている中堅OTの特徴は、「与えられた業務をこなすだけでなく、後輩育成や業務改善に積極的に関わっている」ということ。昇進を意識した働き方が重要です。
ベテラン(10年以上):管理職で年収600万円超も可能
経験10年以上のベテランOTの年収は、ポジションによって大きく異なります。
- 一般職のまま:年収450〜500万円
- 係長・主任クラス:年収500〜550万円
- 科長・部長クラス:年収550〜650万円
- 施設管理者:年収600〜700万円以上
厳しい現実として、管理職にならない限り、経験年数だけでは年収500万円の壁を超えるのは難しいのがOTの世界。昇給ペースは年1〜2万円程度という職場も多く、30歳以降は特に意識的なキャリア戦略が必要です。
職場・施設別の作業療法士の年収を比較
転職を考える上で最も重要なのが、職場タイプによる年収の違いです。私が把握している相場観をお伝えします。
病院(急性期・回復期・慢性期)の給与相場
【病院勤務OTの年収相場】
- 急性期病院:年収400〜480万円
- 回復期リハビリ病院:年収380〜450万円
- 療養型病院:年収350〜420万円
急性期病院は比較的高めですが、その分業務負荷も高い傾向。回復期は求人数が多く、条件も幅広いのが特徴です。
病院の中でも「大学病院」「公立病院」「民間病院」で待遇が異なります。公立病院は地方公務員に準じた待遇で安定していますが、昇給スピードは民間より緩やかな場合が多いです。
介護施設・訪問リハビリの年収事情
- 介護老人保健施設(老健):年収380〜450万円
- 特別養護老人ホーム:年収350〜420万円
- 訪問リハビリ:年収400〜520万円
訪問リハビリは、OTの中でも比較的高年収を狙える領域です。インセンティブ制度を導入している事業所では、件数に応じて月収5〜10万円アップも可能。ただし、移動の負担や一人で判断する場面が多い点は考慮が必要です。
クリニック・デイケアの給与水準
- クリニック:年収350〜420万円
- デイケア・デイサービス:年収330〜400万円
クリニックやデイケアは、残業が少なく働きやすい環境が多い一方、年収は控えめな傾向。ワークライフバランス重視の方には向いていますが、年収アップを優先するなら他の選択肢も検討した方がよいでしょう。
企業・行政で働くOTの年収は高い?
- 一般企業(福祉用具・医療機器メーカーなど):年収450〜600万円
- 行政(市区町村職員):年収400〜550万円
企業でのOT求人は多くありませんが、あれば高待遇のケースが多いです。行政職は公務員待遇で安定しており、長期的に見れば退職金を含めた生涯年収は高くなります。
都道府県・地域別の作業療法士の年収ランキング
年収が高い都道府県TOP5
都道府県別の年収データでは、以下の地域が上位となっています。
- 東京都:約480万円
- 神奈川県:約470万円
- 大阪府:約460万円
- 愛知県:約450万円
- 埼玉県:約445万円
やはり都市部が上位を占めています。特に東京都は平均より50万円近く高い水準です。
地方と都市部の年収格差の実態
地方と都市部では、年収で50〜80万円程度の格差があります。地方の中でも、OT不足が深刻なエリアでは、人材確保のために好条件を提示する施設もあります。
私が相談を受けた中で印象的だったのは、東京から地方に移住してUターン転職したOTさん。年収は30万円下がりましたが、「家賃が半分以下になり、通勤時間も短くなって、生活の満足度は上がった」とおっしゃっていました。
生活費を考慮した実質年収の考え方
年収だけでなく「手元に残るお金」で考えることが重要です。
- 東京都:年収480万円 − 高い家賃・物価 = 実質的な余裕は?
- 地方都市:年収400万円 − 低い家賃・物価 = 意外と余裕あり
家賃だけでも、東京と地方では月5〜8万円の差があります。年間で60〜100万円の差と考えると、額面の年収差は相殺されるケースも多いのです。
作業療法士の年収が低いと言われる3つの理由
「なぜOTの年収は上がりにくいのか」——この構造的な問題を理解しておくことは、キャリア戦略を立てる上で重要です。
診療報酬・介護報酬の仕組みによる限界
OTの収入源の大部分は、診療報酬・介護報酬です。これは国が定める公定価格であり、いくら優秀なOTでも、1単位あたりの報酬は同じという制約があります。
施設側の売上には上限があるため、人件費に回せる金額も自ずと決まってきます。これがOTの年収が頭打ちになりやすい最大の理由です。
OTの供給過多による市場原理
養成校の増加により、OTの有資格者数は毎年4,000〜5,000人ペースで増加しています。需要も増えていますが、供給スピードの方が速く、市場原理として給与が上がりにくい状況が続いています。
特に都市部では「応募者が多いから待遇を上げなくても人が集まる」という施設も少なくありません。
昇給・キャリアアップの道が限られる
一般企業と比べ、リハビリ業界は昇進ポストが少ないのも特徴。科長になれるのは施設に1人、多くても数人。ポストに就けない限り、年収アップの天井にぶつかりやすいのです。
だからこそ、「待っていれば上がる」という発想ではなく、自ら行動して年収を上げる戦略が必要になります。
作業療法士が年収を上げる5つの具体的な方法
では、具体的にどうすれば年収を上げられるのか?私がキャリア支援の現場で見てきた、実際に効果のある方法を5つ紹介します。
高待遇の職場へ転職する
最も確実で即効性のある方法が「転職」です。同じ経験年数・スキルでも、職場が変われば年収50〜100万円アップは珍しくありません。
実際、私がサポートしたOTさんで、回復期病院から訪問リハビリ事業所に転職し、年収80万円アップを実現した方がいます。転職市場では、経験3年以上のOTは引く手あまたの状況が続いています。
管理職・主任ポジションを狙う
今の職場で年収を上げるなら、管理職を目指すのが王道。役職手当は月2〜5万円、年間で24〜60万円の差になります。
「自分には向いていない」と思う方も多いですが、チャンスがあれば挑戦する価値はあります。マネジメント経験は転職市場でも高く評価されます。
認定・専門資格を取得してスキルアップ
認定作業療法士、専門作業療法士、その他の関連資格取得も年収アップにつながる場合があります。
ただし、資格取得だけで大幅な年収アップは難しいのが現実。資格を活かせる職場に転職することで、初めて収入に反映されるケースが多いです。
訪問リハビリ・非常勤掛け持ちで収入増
訪問リハビリは、インセンティブ制度で収入を伸ばせる領域。1件あたり3,000〜4,000円のインセンティブがつく事業所では、件数次第で月収5〜10万円アップも可能です。
また、常勤と非常勤の掛け持ちで収入を増やす方法もあります。週末だけ訪問リハビリで働くOTさんも増えています。
副業で収入の柱を増やす
OTの知識・経験を活かした副業も選択肢の一つ。
- Webライター(医療・介護系記事の執筆)
- セミナー講師
- オンライン相談
- 福祉用具関連の業務委託
ただし、職場によっては副業禁止の場合もあるため、就業規則の確認は必須です。
年収アップの方法として最も効果的なのは、やはり「転職」です。自分の市場価値を知り、より好条件の職場を探すことで、現状を大きく変えられる可能性があります。
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作業療法士の年収アップを実現する転職のポイント
「転職で年収を上げたい」と思っても、やり方を間違えると期待通りの結果が得られません。ここでは、転職で失敗しないためのポイントをお伝えします。
年収交渉で失敗しないコツ
転職時の年収交渉で重要なのは、「相場を知った上で、根拠を持って伝える」こと。
- 現在の年収を正直に伝える
- 希望年収は「○○万円以上」と幅を持たせる
- スキルや経験で貢献できる点を具体的にアピール
「いくらでもいいです」と言ってしまうと、最低ラインで提示されるリスクがあります。逆に、根拠なく高い金額を言うと不採用のリスクも。このバランスが難しいからこそ、エージェントの活用が有効なのです。
求人票で見るべき給与の内訳
求人票の「月収25万円〜」という表記に惑わされないでください。チェックすべきポイントは以下の通りです。
- 基本給はいくらか(残業代・手当込みの金額ではないか)
- 賞与は年何ヶ月分か
- 昇給実績はどの程度か
- 各種手当の詳細(住宅手当・資格手当など)
見た目の月収が高くても、基本給が低いと賞与や残業代が少なくなり、年収で見ると思ったほど高くないケースがあります。
転職エージェントを活用するメリット
リハビリ職専門の転職エージェントを利用するメリットは大きく3つ。
- 非公開求人にアクセスできる(好条件の求人は非公開が多い)
- 年収交渉を代行してくれる(自分では言いにくい金額交渉もプロにお任せ)
- 内部情報を教えてもらえる(離職率や職場の雰囲気など)
特に年収交渉は、自分でやるとうまくいかないケースが多いです。エージェントを介することで、客観的な市場価値をベースに交渉してもらえます。
リハビリ職の転職支援実績が豊富なエージェントとして、マイナビコメディカルは求人数も多くおすすめです。
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まとめ:2024年の作業療法士年収と今後の動向
2024年の作業療法士の平均年収は約432万円。年齢・地域・職場によって300〜600万円以上と大きな幅があります。
今後も診療報酬の大幅な引き上げは期待しにくく、年収を上げるには「待つ」のではなく「自ら動く」ことが重要です。特に転職は、最も確実に年収を上げられる方法。
「今の年収に満足していない」「もっと評価される職場で働きたい」と感じているなら、まずは自分の市場価値を確認することから始めてみてください。行動を起こすかどうかで、3年後、5年後の年収は大きく変わります。
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よくある質問(FAQ)
Q. 作業療法士の年収は今後上がりますか?
A. 診療報酬・介護報酬の改定次第ですが、大幅な上昇は期待しにくいのが現状です。業界全体の底上げを待つよりも、転職やスキルアップなど個人でできる対策を講じる方が現実的です。
Q. 作業療法士で年収500万円は可能ですか?
A. 十分可能です。管理職への昇進、訪問リハビリでのインセンティブ獲得、好条件の職場への転職などで実現できます。経験5〜10年目で管理職に就くか、高待遇の職場に転職すれば、500万円は現実的な目標です。
Q. 作業療法士と理学療法士はどちらが年収が高い?
A. 統計上はほぼ同等(ともに約432万円)です。同じ職場で働く場合、PT・OTの給与体系に差はないことがほとんど。年収の違いは職種よりも、勤務先や地域、役職の影響が大きいです。
Q. 新卒作業療法士の初任給はいくらですか?
A. 月収21〜24万円、年収換算で300〜350万円が相場です。都市部の大規模病院は高め、地方の小規模施設はやや低めの傾向があります。初任給だけでなく、昇給実績や賞与も含めて判断することが大切です。
Q. 作業療法士の給料が安いと感じたらどうすべき?
A. まずは市場相場を確認し、自分の年収が適正かどうかを把握しましょう。相場より低い場合、転職で改善できるケースが多いです。転職エージェントに相談すれば、今の年収が妥当かどうか、上げられる可能性があるかを客観的に教えてもらえます。
この記事を書いた人
富永康太(元理学療法士)
臨床経験10年以上。現在はDOPグループ代表として、リハビリ職の転職・キャリア支援に携わる。「給料が安い」「転職が不安」——そんなPT・OT・STの悩みに、現場を知る人間として本音でお答えします。
