「理学療法士の給料、こんなもんか…」と思いながら働いていた時期が、僕にもありました。
新卒から3年、手取りはほとんど変わらず年収330万円。国家資格を持っているのに、正直「これでいいのか?」とずっとモヤモヤしていました。
でも、4年目に転職したタイミングで、ある行動を起こしたことで年収が330万から400万に上がりました。月にして約7万円のアップです。
やったことはシンプル。経営者に直談判して、「売上を上げるから給料を上げてほしい」と交渉したんです。
この記事では、僕が実際にやった年収交渉の方法と、売上アップのために取り組んだ具体策をすべてお話しします。「給料を上げたいけど、どうすればいいかわからない」という方の参考になれば嬉しいです。
転職直後に感じた「このままじゃまずい」という危機感
4年目で転職したとき、給料は前職とほぼ横ばいの年収330万円でした。
転職先を選んだ理由は、やりたいリハビリができる環境だったから。給料面は「まあ、こんなもんだろう」と半ば諦めていたんです。
でも、実際に働き始めて気づいたことがありました。
リハビリ部門の運営に、改善の余地がかなりあったんです。
- 稼働率がそこまで高くない
- リハビリテーション実施計画書の算定に漏れがある
- 取れるはずの加算が取れていない
これを見て、「ここを改善すれば売上は確実に上がる。それなら、自分の給料交渉の材料にできるんじゃないか?」と考えたのが、すべての始まりでした。
経営者への直談判|「売上を上げるから、給料を上げてほしい」
正直、めちゃくちゃ緊張しました。転職してまだ数ヶ月の若手が、経営者に給料の話をするわけですから。
でも、ただ「給料上げてください」と言ったわけじゃありません。
僕がやったのは、具体的な数字と施策をセットにした提案です。
「リハビリ部の売上を1年で800万円上げる施策を実施します。その代わり、実現したら月7万円の昇給をお願いしたいです」
つまり、「お願い」ではなく「取引」として持ちかけたんです。
経営者の立場から考えたら、リスクはほぼゼロですよね。売上が800万上がって、人件費の増加は年84万。売上が上がらなければ払わなくていい。上がったら、その一部を人件費に回すだけ。
結果、経営者は「面白い。やってみろ」と言ってくれました。
売上アップのために実際にやったこと
1. 稼働率の改善
まずは稼働率のアップに取り組みました。
稼働率が上がらない原因を分析すると、キャンセル対応の遅れとスケジュール管理の甘さが大きかった。
具体的にやったことは以下の通りです。
- キャンセルが出たら即座に別の患者さんを入れる仕組みを作った
- 週単位ではなく日単位でスケジュールを見直す習慣をチームに定着させた
- 空き時間の「見える化」をして、全員が把握できるようにした
地味な取り組みですが、これだけで稼働率はかなり改善しました。
2. リハビリテーション実施計画書の算定漏れをゼロに
これが一番インパクトが大きかったかもしれません。
リハビリテーション実施計画書は、適切に作成・交付すればリハビリテーション計画提供料として算定できます。でも、現場が忙しいと「後で書こう」が積み重なって、漏れが発生する。
僕がやったのは、
- 算定対象の患者リストを毎月チェックするシートを作成
- 期限切れ前にアラートが出る管理表を導入
- 月末に必ず全件チェックするルーティンを徹底
これで算定漏れはほぼゼロになりました。たったこれだけで、月の売上が目に見えて変わったんです。
3. 取れる加算の見直し
意外と見落とされがちなのが、制度上取れるはずの加算を取っていないケース。
施設基準を満たしているのに届出していなかったり、算定要件を満たしているのに「面倒だから」でスルーされていたりすることって、実は結構あるんです。
一つひとつ確認して、取れるものはすべて取るようにしました。
1年後、約束通り給料が月7万円上がった
1年間、地道に取り組んだ結果、リハビリ部の売上は目標を達成しました。
そして経営者との約束通り、月7万円の昇給。年収にして約84万円アップの、330万から400万になりました。
正直、嬉しかったですね。でもそれ以上に、「自分の行動で環境を変えられる」という実感が大きかった。
PTの給料が安いと嘆くのは簡単です。でも、文句を言っているだけでは何も変わらない。それを身をもって体験しました。
年収交渉を成功させるために大事だったこと
振り返ってみて、この交渉がうまくいった理由は3つあると思います。
1. 「お願い」ではなく「提案」にしたこと
「給料を上げてください」というお願いは、経営者からすると単なるコスト増でしかありません。
でも「売上を上げるので、成果報酬として昇給してほしい」という提案なら、話を聞く価値がある。相手にとってのメリットを先に出すのがポイントです。
2. 数字で語ったこと
「頑張ります」では何も伝わりません。
「800万円売上を上げます」「稼働率を10%改善します」と、具体的な数字を出したからこそ、経営者も判断できた。数字は嘘をつかないし、数字で語れる人は信頼されます。
3. 実際にやり切ったこと
当たり前ですが、口だけで終わったら信頼を失って終わりです。
1年間、コツコツと地道にやり続けた。途中で「本当にできるのか?」と不安になったこともありましたが、やり切ったからこそ結果がついてきました。
「給料が安い」と悩んでいるPTへ
理学療法士の給料が安いのは、残念ながら事実です。でも、「安いまま」でいるかどうかは自分次第だと僕は思っています。
僕がやったような経営者への直談判は、誰にでもできるわけではないかもしれません。職場の雰囲気や経営者のタイプにもよります。
でも、もし今の職場で年収アップの余地がないなら、転職という選択肢は絶対にある。
僕自身、最初の転職では給料は変わりませんでした。でも、転職先で行動を起こしたことで年収70万円アップを実現できた。環境を変えること自体に意味があるんです。
大事なのは、「給料が安い」と嘆くだけで終わらないこと。自分から動くこと。それだけで、見える景色は変わります。
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この記事を書いた人
富永康太(元理学療法士)
臨床経験10年以上。現在はDOPグループ代表として、リハビリ職の転職・キャリア支援に携わる。「給料が安い」「転職が不安」——そんなPT・OT・STの悩みに、現場を知る人間として本音でお答えします。
