正直に言います。僕は理学療法士として働いていた頃、3年くらい「辞めたい」って思いながらダラダラ続けていました。毎週月曜の朝が憂鬱で、日曜の夜はなんとなく胃が重くなる。でも「せっかく資格取ったし」「患者さんに申し訳ない」って自分に言い聞かせて、何も行動しなかったんですよね。今振り返ると、あの時間はもったいなかった。もっと早く動いていれば、もっと早く楽になれたのに。この記事を読んでいるあなたは、きっと当時の僕と同じ気持ちなんじゃないかと思います。辞めたいけど辞められない。その気持ち、痛いほど分かります。だからこそ、10年PTをやってきた僕が、嘘なしで本音を書きます。
「辞めたい=甘え」という思い込みを捨てろ
まず最初にハッキリ言わせてください。「辞めたい」と思うことは、甘えでもなんでもない。
辞めたい理由の9割は環境のせい
PT協会の調査や複数の転職サイトのデータを見ると、理学療法士が退職を考える理由のトップ3は「人間関係」「給与への不満」「将来性への不安」なんです。つまり、本人の根性とか忍耐力の問題じゃなくて、職場環境や業界構造の問題ってこと。
僕がリハビリ業界に入った頃は、転職=逃げというイメージが強かったです。でも今は全然違います。むしろ積極的にキャリアを考えるのが当たり前の時代です。辞めたいと感じている自分を責める必要なんて、どこにもありません。
「いや、でも周りは頑張ってるし……」って思うかもしれない。でもね、周りが我慢してるからって、あなたも我慢しなきゃいけない理由にはならないんですよ。それ、おかしくないですか?
我慢し続けた同期がどうなったか
僕には同期で、どんなに辛くても「患者さんのために」って歯を食いしばって働き続けたやつがいました。真面目で、優秀で、患者さんからの信頼も厚かった。でも3年目の秋、彼は突然出勤できなくなりました。適応障害の診断が出て、結局半年間休職。復帰後も以前のようには働けなくて、最終的にはPTを辞めました。
あのとき、もっと早く職場を変えていれば。もっと早く誰かに相談していれば。彼は今もPTを続けられていたかもしれない。我慢って、美徳じゃないんです。自分を壊してまで続ける価値がある仕事なんて、この世に一つもない。
理学療法士が辞めたくなる本当の理由5つ
じゃあ具体的に、何がPTたちを追い詰めているのか。僕自身の経験と、周囲から聞いた話をもとに5つ挙げます。
給料が上がらない構造的な問題
これ、マジでどうにかならないんですかね。PT・OT・STの給料が上がりにくいのは、診療報酬制度のせいです。リハビリの単価は国が決めていて、1単位(20分)あたり約2,000円前後。施設の収益に上限があるから、どんなに頑張っても給料の天井が見えてしまう。
僕が熊本の整形外科クリニックで働いていた頃、5年目で手取り22万円くらいでした。残業代込みでこれ。同い年で一般企業に就職した友人は、既に年収500万超え。正直「なんでこんなに差があるんだ」って悔しかったですね。
昇給も年3,000〜5,000円とか。10年勤めても、新卒との差が3〜5万円程度しかない職場もザラにあります。これで「やりがいがあるから」って言われても、ちょっと厳しいですよね。
先輩・上司との人間関係
リハビリ職の人間関係、独特のしんどさがあると思うんです。患者さんの担当を巡る対立、治療方針の違いによる摩擦、カンファレンスでの詰め方……。僕がいた病院では、主任が若手の治療を後ろから見張っていて、終わった後にネチネチ指摘してくるという地獄がありました。
ナースや医師との関係も難しい。「リハビリさんはいいよね、座って話聞いてるだけで」なんて嫌味を言われた経験、ありませんか? 僕はあります。あれ、本当に心が折れる。
やりがい搾取される現場
「患者さんのため」を免罪符に、サービス残業を強いられる職場、多すぎません? 書類業務、カンファレンスの準備、勉強会の資料作り。これ全部、定時後に「自己研鑽」としてやらされる。
以前いた病院では、新人が毎日21時まで残って勉強会の準備させられてました。もちろん残業代なし。「若いうちは投資期間だから」って。いや、それ投資じゃなくて搾取ですよね。
キャリアの天井が見える
一般的なPTのキャリアパスって、スタッフ→主任→科長、くらいでしょう。でも科長になれるのは1施設に1人か2人。ほとんどの人は主任止まり、もしくは一生平スタッフ。しかも管理職になったところで、給料がドカンと上がるわけでもない。
30代後半になったとき、「あと20年、この延長線上を歩くのか」って考えたら、ゾッとしませんか? 僕はゾッとしました。
身体がもたない
これ、意外と見落とされがちだけど深刻な問題です。ある調査では、PTの約6割が腰痛を経験しているというデータがあります。患者さんの介助、中腰での作業、1日何件もの訪問リハ……。身体を酷使し続けて、40代で腰がボロボロになる先輩、何人も見てきました。
余談ですが、僕の後輩で、頸椎ヘルニアになって利き手が痺れるようになったやつがいます。27歳で。リハビリを教える立場なのに、自分がリハビリを受けるって皮肉ですよね。彼は結局、身体が理由でPTを辞めました。
「3年は続けろ」は本当か?辞め時の見極め方
よく言われますよね、「石の上にも三年」ってやつ。これ、半分正解で半分間違いだと思ってます。
3年神話が生まれた理由と今の現実
3年続けろと言われるのには、一応理由があって。新人のうちは覚えることが多いし、3年くらい経験を積めば一通りの業務ができるようになる。転職市場でも「経験3年以上」を条件にする求人が多いのは事実です。
ただ、それは「3年未満で辞めたら転職できない」という意味じゃない。1〜2年目でも、明確な理由と次のビジョンがあれば普通に転職できます。特に今は人手不足の施設が多いので、経験年数より「すぐ来てくれるかどうか」を重視するところも増えてます。
僕の場合、熊本という地方都市にいたこともあって、求人数が限られていました。だから「もう少し経験積んでから」という判断が結果的に正解だったけど、東京や大阪なら1年目で転職しても全然選択肢あったと思います。
辞めていいサイン・もう少し頑張るべきサイン
じゃあ、どう判断すればいいのか。僕なりの基準を書きます。
辞めていいサインは、日曜の夜に涙が出る、出勤前に吐き気がする、不眠や食欲不振が2週間以上続いている、「自分はダメだ」という考えが頭から離れない、といった状態。これらは身体と心からのSOSです。無視しちゃダメ。
一方、もう少し踏ん張った方がいいケースもあります。「なんとなく飽きた」「隣の職場が良さそうに見える」「特定の患者さんとの関係が一時的に悪い」という程度なら、転職しても同じ問題にぶつかる可能性が高い。その場合は、まず環境を変えずに解決できないか考えた方がいいです。
どうですか? 自分がどっちに当てはまるか、正直に考えてみてください。
辞めた後の選択肢は意外と多い
「辞めたら食っていけるのか」って不安、めちゃくちゃ分かります。でも実際は、PTの資格と経験を活かせる場所って、思っている以上にあるんですよ。
別の職場でPTを続ける
一番現実的なのは、職場を変えてPTを続けること。同じPTでも、病院、クリニック、訪問リハ、デイサービス、老健、企業内リハ……働き方は全然違います。
回復期病院で疲弊してた人が、訪問リハに転職したら「自分のペースで働ける」「患者さんとじっくり関われる」と生き生きし始めた、という話はよく聞きます。以前勤めていた整形外科クリニックで、5年目のPTが転職して年収100万アップしたんです。そのとき「環境を変えるだけでこんなに変わるのか」と衝撃を受けました。その人は回復期から訪問に移って、インセンティブ込みで年収480万になったと聞きました。
逆に、訪問の移動が辛くてクリニックに戻った人もいる。何が合うかは人それぞれなので、自分の優先順位を明確にすることが大事です。
PT資格を活かして異業種へ
臨床から離れたいなら、PT資格を活かせる異業種もあります。医療機器メーカーの営業、フィットネスジムのトレーナー、介護ソフト会社のカスタマーサクセス、ヘルスケア系スタートアップ……。
僕の知り合いで、医療機器メーカーに転職したPTがいます。最初は「営業なんてやったことない」と不安がっていたけど、現場経験があるからドクターやPTへの提案がスムーズにできると評価されて、今は年収600万超え。臨床時代より200万以上上がったそうです。
ただ、異業種転職は「PT経験を活かせるポジション」を狙わないと、年収ダウンのリスクがある。未経験分野に飛び込むなら、一時的に収入が下がることは覚悟した方がいいです。
完全に別の道へ進む
PT資格を完全に捨てて、まったく別の仕事に就く人もいます。IT企業、一般企業の事務職、公務員、飲食店経営……選択肢は無限。
僕が独立して株式会社DOPを立ち上げたとき、最初の半年は月収10万円台でした。臨床に戻ろうかと何度も思いましたね。貯金を切り崩しながら、本当にこれでよかったのかと自問自答する日々。でも、今はこの道を選んでよかったと思っています。
完全な異業種に行った人の成功例も失敗例も見てきました。成功した人に共通しているのは、「辞める前に次の準備をしていた」こと。勢いだけで辞めると、後悔する確率が跳ね上がります。
転職を考えるなら知っておくべき現実
ここからは、具体的に転職を考えている人向けの話。夢を語るだけじゃなくて、厳しい現実も書きます。
転職で年収が上がる人・下がる人の違い
転職で年収が上がりやすい人には、いくつかの共通点があります。経験5年以上である、訪問リハや管理職の経験がある、特定の専門領域(脳卒中、整形、呼吸器など)に強みがある、といった点です。
逆に、年収が下がりやすいパターンは、経験が浅いのに高望みする、未経験の分野に飛び込む、「とにかく今の職場を辞めたい」だけで次を決める、など。焦って決めると、前より条件が悪い職場に行ってしまうリスクがあります。
転職で成功するコツは、複数の選択肢を比較すること。1社だけ見て「ここでいいや」と決めると、後で「もっといい条件の求人があったのに」と後悔することになります。
地方と都市部で戦略が違う
これ、地方在住の人には特に伝えたいんですけど。都市部と地方では、転職の戦略がまったく違います。
東京や大阪は求人数が多い分、競争も激しい。書類選考で落とされることも普通にある。一方、地方は求人数が少ないけど、条件にハマれば「すぐ来てほしい」と好待遇で迎えられることも。
僕がいた熊本だと、転職サイトで「熊本市内」と検索しても、出てくる求人は20〜30件程度でした。選択肢が限られるから、「今の職場より確実に良い」と思える求人が出たときにすぐ動けるよう、常に情報収集しておくことが大事なんです。
だからこそ、転職するかどうか決めてなくても、とりあえず転職サイトには登録しておいた方がいい。自分の市場価値を知るためにも、どんな求人があるか見ておくためにも。PTOTSTワーカーなら登録無料で、リハビリ職専門のアドバイザーに相談もできます。「転職するか迷ってる」という段階でも全然OK。
辞めると決めたらやるべき3ステップ
よし、転職しよう。そう決めたなら、やるべきことは3つあります。
まず、貯金と退職時期の確認。理想は「次の職場が決まってから辞める」だけど、精神的に限界なら一旦辞めてから探すのもアリ。その場合、最低でも生活費3ヶ月分の貯金は欲しい。転職活動は平均1〜3ヶ月かかるので、その間の生活を支えられるか計算してください。ボーナス支給後に辞めるとか、有給を全部消化してから退職日を設定するとか、お金の面はシビアに考えた方がいいです。
次に、情報収集。これがめちゃくちゃ重要。ハローワークだけじゃなくて、転職サイト、転職エージェント、知人の紹介、あらゆるチャネルを使う。特にエージェントは、求人の紹介だけじゃなくて、履歴書の添削、面接対策、条件交渉までやってくれるので、使わない理由がない。僕も転職活動したときはエージェントを使いました。自分で求人探すより圧倒的に効率がいいし、非公開求人も紹介してもらえる。
最後に、退職交渉。法律上は2週間前に伝えればOKだけど、引き継ぎを考えると1〜2ヶ月前に伝えるのがマナー。上司に伝えるときは、感情的にならず、淡々と「〇月〇日付で退職したい」と言う。理由を聞かれても、長々と説明する必要はありません。「一身上の都合」で十分。引き止められても、決意が固いなら揺らがないこと。情に訴えてくる上司もいますが、あなたの人生はあなたが決めるものです。
転職サイトへの登録は3分で終わります。PTOTSTワーカーはリハビリ職に特化しているので、一般の転職サイトより条件に合った求人が見つかりやすい。登録したからといって、絶対に転職しなきゃいけないわけじゃないので、まずは情報収集のつもりで登録してみてください。
よくある質問
理学療法士1年目で辞めたいのは早すぎますか?
早すぎじゃないです。ただ、辞める理由を言葉にできるかどうかは大事。「なんとなく嫌」だと、次の職場でも同じことになりかねない。僕の知り合いで1年目で辞めて、訪問リハに転職したPTがいます。彼女は今、生き生きと働いてますよ。
辞めたいけど患者さんを見捨てるようで罪悪感がある
その気持ちは分かる。でも冷静に考えてください。あなたが辞めても、別の誰かが担当します。施設は回ります。大事なのは引き継ぎをしっかりやること。自分を犠牲にしてまで続ける必要はありません。
理学療法士を辞めて後悔した人はいますか?
います。準備不足で勢いで辞めた人は後悔しがち。「次が決まってないのに辞めて、半年フリーターになった」という話も聞きました。逆に、後悔していない人は共通して「次の仕事を決めてから辞めた」と言っています。
転職サイトに登録したら職場にバレますか?
基本バレません。スカウト機能をオフにしたり、現在の勤務先をブロックリストに入れたりすれば大丈夫。僕も在職中に登録してましたが、一度もバレませんでした。
まとめ
「辞めたい」と思うのは甘えじゃない。環境が合わないだけ。今の職場で無理し続けて身体や心を壊す前に、選択肢を知っておいてほしい。僕みたいに3年も迷って時間を無駄にする必要はないんです。今日、転職サイトに登録するだけでも、一歩前に進める。動いた人だけが、現状を変えられます。
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この記事を書いた人
富永康太(元理学療法士)
臨床経験10年以上。現在はDOPグループ代表として、リハビリ職の転職・キャリア支援に携わる。「給料が安い」「転職が不安」——そんなPT・OT・STの悩みに、現場を知る人間として本音でお答えします。
